北海道の釣り 2010


11月20日

羽田8時55分発全日空741便は、週末を利用して北海道を旅行しようという大勢の観光客を乗せて、定刻通りに空港を飛び立った。経費削減を目指す航空各社は、お茶以外の飲み物を有料しているので、300円を払いコーヒーを注文した。空港で買った文庫本をたいして読む間もなく、僅か90分のフライトで、飛行機は釧路空港に10時30分に到着した。

いつもは千歳空港でガイドの中村さんと待ち合わせるのだが、今年は釧路空港で一年ぶりに再会した。中村さんは、毎年お世話になっている「かわせみ」のフィッシングガイドで、今年もお世話になる。駐車場で奥さんの淳子さんとも1年ぶりの再会をする。今年の北海道釣行が始まった。

午前11時、釣り場のC川に到着する。この川は、白糠町をほぼ南北に流れて太平洋に注ぐ二級河川で、時期になるとたくさんの鮭が遡上する。この鮭の卵を求めて、夥しい数のアメマスも遡上してくる。体長も30センチくらいのものから70センチを超えるクラスも釣れることから、道内はもとより全国から大勢の釣り人がやってくる。私もその一人だが。早速釣り支度を整えて、車を止めたところから釣りを開始する。

(写真が罫線で囲まれているものをクリックすると動画が見られます。)

C川の広い河原 対岸の深みにアメマスがいる

釣り支度を整えフライを選ぶ 1年ぶりのキャスト

4番ロッドに4番のライン、リーダーは1Xで2Xのティペットをつなぐ。サーモンピンクのエッグフライをティペットに結ぶ。1年ぶりなので緊張しながらキャストを開始した。4番ロッドを使う釣りは北海道でだけなので、キャストの仕方を思い出しながらポイントにフライを送り込む。何回もキャストしないうちに、すぐに目印が止まった。アタリだ。素早く竿を立ててフッキングする。普段の渓流釣りでは味わえない、重く強烈な引きが返ってきた。慎重にリトリーブしながら浅瀬に寄せてくる。45センチくらいの良型のアメマスだった。

対岸がねらい目 良型のアメマス

良型のアメマス 産卵後のようだ たまに釣れてしまう白鮭

河原で昼食を頂く。淳子さん手作りのおいしい昼食で、これだけでも北海道に来た甲斐がある。昼食後、下流側に移動して釣りを再開する。ポイントの設定が素晴らしいので、瞬く間に20本近いアメマスを釣り上げる。本日最大は55センチの丸々と太ったアメマスたった。 型がいいうえに鮭の卵を食べて丸々と太っているから、引きは強く、そして重い。20本も釣ると腕が疲れてしまう。贅沢な話だ。

流れと魚体の重みが竿にかかってくる 魚を浅瀬に誘導する

55センチの大型アメマス 流れの中で、果敢にエッグに食いつく

夕食は釧路市内の回転寿司に行く。釧路漁港という巨大漁港を控えているので、寿司ネタも多彩で、回転寿司といえど侮れない。サバ、イカ、カニミソなど美味しい寿司を堪能した。食後、近くの大喜湯で一日の汗(といっても寒いので汗はかいていないが)を洗い流す。今夜は、道の駅「しらぬか恋問」に止めたトレーラーに泊まる。

11月21日

朝6時起床。昨年は朝の気温が零下7度だったが、今年は2,3度と、とても暖かい。昨日は曇りだったが今日の天気は良さそうだ。ゆっくり朝食を取ってから出発する。今日は初めての川、S川だ。今まで地図では何度も見ていて、どんな川か気になっていた川だった。

S川は、C川と同様に白糠町を南北に流れる二級河川で、水源は阿寒富士に発する。上流にSダムができているため、水量はあまり多くないというが、それでも冬だというのにかなりの水が流れている。道の両側にいくつもの牧場が広がっている。道の端に車を止めて、釣り開始。

道端の空き地に車を止めて釣り支度 S川の両側にはたくさんの牧場が広がっている

対岸の深みにアメマスがいる S川の河原

水はあまり厚くないので、少しでも水深があるところを狙ってキャストする。やがて目印が止まったので合わせる。かなり強い引きが返ってきた。水の中の魚影を追うと、あまり大きくないのだが引きは強い。リトリーブしながら岸に寄せると、何とレインボートラウトだった。体長は30センチくらいだが、さすがにレインボーの引きは強かった。

S川 今日はアタリが渋い 強い引きを見せたニジマス

ポイントを探しながら下流に移動する。しかし、川の水は薄くアタリは全体に低調なので、午後からC川に転戦することになった。

C川 好ポイント 良型のアメマスがすぐにヒット

ここは2年前にも訪れていて、大釣りした記憶があった。川が山の陰を流れているので、一日中陽が当たらないのでとても寒い場所だが、沢山のアメマスが流れの中に潜んでいる。何本か釣った後、本日最大のアメマスがヒットする。今までのものとは、腕に感じる重さが全く違う。まるで根掛かりしたような感じで、なかなか寄せられない。水面を叩く尾を見ても、70センチ級のアメマスだ。釣れば自分のレコードになるので、慎重に慎重にリトリーブしてくる。
何事も過ぎたるは及ばざるがごとし、で浅瀬に誘導している最中に針が外れてしまった。もう少しでランディングだったので、一気に気が抜けてしまった。残念!

ここだけで10本近く釣れた。何尾の魚がいるのだろう。 50センチオーバーのアメマス

魚は深みに潜んでいる 70センチ級がばれた!

その後もアタリは続き、この場所だけで20本くらい釣っただろうか。右腕が痛くなってきたので、納竿することにした。まだ2日ある。一日陽が当たらない川の畔には厚い氷が張っていた。

陽は当たらないが魚は濃い フライを外してリリース

対岸にはたくさんのアメマスが付いている 厚い氷が張っていた

帰り際、何気なく河原の大きな石の周りを見ると、石裏のたまりに沢山の小魚が群れていた。鮭の稚魚だろうか。何の稚魚かは不明だったが、小魚がいることは心強いことだ。

石の裏に小魚の群れ 何の小魚か不明 鮭かな

車を止めたところに戻る。そこには帯広ナンバーの車が3台止まっており、5,6人の釣り人がいた。皆ルアーでアメマスを狙っていたようだった。一人が電車のレールを交換するときに使うような巨大なバールを持っていたが、果たして何に使ったのだろう。

山花温泉で一日の疲れを取る。エビ天丼と入浴料のセットが1000円のお得なセットになっていて、心も胃袋も満たされた。

11月22日

6時に起床する。今朝も気温が高く、小雨が降っていた。今日は、一日O川を狙う。

O川は北海道で初めてアメマス釣りをした川なので、特に愛着がある。昨年は訪れていなかったので、久々という感じだ。右岸側が切り立った崖になっていて、その下はかつても名ポイントだったらしいが、今は所々が土砂に埋まっていて釣果は期待できないようだった。

右岸側が断崖になっている 滔々と流れるC川

崖から染み出す水が凍るような寒いところだが、水温は5,6度あり、アメマスの活性も高いようだ。良型のアメマスが立て続けに釣れる。今回の釣行最大の57センチが出た。

深みを攻める 木があってキャストしずらいが対岸の深みにアメマスがいる

凍り付く断崖 今回最大の57センチのアメマス 太っているので重かった

昨年の水温は1,2度くらいだったが、今年は5度から7度くらいとやや高めだ。魚の活性は高く、ここというポイントを流すとアタリがくる。サイズも40〜55センチくらいの良型で、太っているので引きは強烈だ。腕を時々休めながら釣り続ける。

C川 入川地点まで戻る 小雨交じり

北海道ではフキノトウが年に2回採れる。2度目のフキノトウが河原に出ていた。このフキノトウは雪が降ると枯れてしまい、蕗には成長しないとのことだった。いくつか採って持ち帰ることにした。

蕗畑のようだ 蕗の薹

川の湾曲部や流れが厚いところ、深みのある岸沿いを流すと、40〜50センチ前後のアメマスが食いついてくる。釣っては外し、釣っては外し続ける。

あいにくの雨だがアタリは続く キストもだいぶ慣れてきた

良型のアメマスが釣れ続ける 体表の斑点がきれいだ

お昼に熱々の豚汁を頂いた。河原に椅子を並べて、雄大な景色を見ながら美味しい食事を頂いていると、しみじみ北海道の釣りの良さを実感する。冷たい河原だが、温かい食べ物を食べて元気が出てくる。食べ終わってから、さらに上流に移動することになった。

C川上流部の河原 対岸がポイント

良型のアメマスがアタリ続ける 同じ場所でも少し間をおくと、またアタリがくる

午後から雨が少し強くなってきた。それでも移動した最初のところで10本、次のところでも10本と釣れ続き、腕が痛くなってきた。大きなアメマスを30回以上もフッキングしていると、その衝撃と負担が右腕にかかってくる。まったく贅沢な話だが、午後3時半納竿した。

道の駅「しらぬか恋問」まで戻る頃には、雨、特に風がかなり強くなっていた。トレーラーを風の影響の少ない場所に移動させる。夜間の瞬間風速は15メートルを超えていたと、翌朝中村さんが教えてくれた。

11月23日

いよいよ北海道釣行の最終日だ。疲れが溜まってきたのか、6時には起きられず、6時15分に目覚めた。ゆっくり朝食を済ませてから、好調のC川に向かった。

牧場を横切り、川へと向かう。川に下りた所がもうポイントで、このあたりだけで10本以上を釣り上げる。

朝から快調にアタリがある 良型のアメマス

車を止めた目の前の好ポイント ここで何本か上がる 下流側を望む

良型のアメマス これもかなり大物だ

下流に良いポイントがあるらしく、4人の釣り人がそこで釣りをしていた。ずっとそこにとどまって釣り続けている。いくら魚が濃くても、4人が釣り続けるにはどうかと思ったが、ローリングキャストを楽しんでいたのかもしれない。上手にキャストを繰り返していた。

写真では3人だが、この後すぐもう1人加わる 対岸の木の下がポイントだが、ひっかかりやすい

釣りをしていると、淳子さんがアカゲラの鳴き声が聞こえると教えてくれたので、注意深くアタリを見回すと、対岸の灌木の中にアカゲラを見つけた。こんなに間近で見るのは初めてだ。望遠レンズもないので上手に写真が撮れなかった。

アカゲラがいたブッシュ 無理して拡大したのでぼやけているが、写真中央にアカゲラ

午後からC川のJポイントに向かう。護岸沿いのえぐれに沢山のアメマスがつくので、大勢の釣り人が押し寄せる名ポイントだ。すでに6人の釣り人がキャストをしていた。我々は、下流の流れが厚くなったところを狙った。

地元で有名なJポイント この流心に何十尾ものアメマスがいる

釣り堀のように魚がいる 細身だが軽く50センチを超えている

既に大勢の釣り人に攻められていた筈だが、釣り始めると立て続けに56センチを頭に10本以上も釣れた。そして、アタリはピタッと止まってしまった。好調に釣れている淳子さんのフライと同じフライに取り替えるが、アタリはなかなか来ない。流し方が微妙に違うのだろう。帰りの飛行機の時間が近づいてきたので、午後2時30分納竿する。夢のような今年の北海道釣行が終わる。

大型のアメマス 56センチ きれいな魚体

良型のアメマス この写真の範囲だけでも100尾いるかもしれない

午後4時、釧路空港まで送って頂いた。年に1回の北海道アメマス釣り。今年は例年になく暖かで、天気にも恵まれた。3泊4日の釣行で100本を軽く超えるアメマスを釣り上げることができた。70センチを釣り上げるのは来年の課題に先送りして、午後4時50分、飛行機は予定通り釧路空港を離陸した。釧路はこれから本格的な冬を迎えるのだろう。

ランチタイム

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