北海道の釣り 2008


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58cmのアメマス 美しいアメマス 11月の北海道

11月21日

札幌行きスカイマーク727便18時45分発は、定刻を30分遅れて羽田空港を飛び立った。連休を北海道で過ごそうという旅行客で機内は満席だった。
飛行機は30分遅れたまま新千歳国際空港に到着した。回転テーブルで荷物が出てくるのを待つ。しかし、いつまで待っても荷物は現れない。私はいつも早めのチェックインを心がけているが、早く荷物を預けてしまうと貨物室の奥の方に格納されてしまうのか、たいてい荷物が出てくるのは最後の方だ。出口の所でクレームタッグと荷物を照合している係員にそのことを聞いてみたが、「そんなことはありません。荷物の大きさなどで区分して入れているので遅くなることもあります。」ということだった。

しかし、私の過去100回以上の飛行体験では早めに預けるほど遅く出てくるのはほぼ間違いない。航空会社は面倒なので早めのチェックインを呼びかけているが、早くしてよかったことは一度もなかった。

到着ロビーには、ガイドの中村さんがすでに来ていた。一年ぶりの再会だ。挨拶を済ませ、奥さんの淳子さんが待つランドクルーザーに向かった。今回で4回目になるが、今年もフィッシングガイドかわせみの中村夫妻のお世話になる。釣り道具を詰め込んだ大きなバッグをトレーラーに積み込んで、我々は一路新冠を目指した。

国道235号線を東に走る。空港に着いたときに降っていた雪は、相変わらず降っている。道にも積もっていて、中村さんは慎重に運転をしている。門別町を経て新冠町に入り、道の駅「サラブレッドロード新冠」に着く。

この道の駅は国道235号沿いにあり、新冠町の中心部にほど近い。敷地内に物産館、フラワーショップなどを備え、観光の情報拠点も担っている。また、「レ・コード館」が隣接していて、全国から寄贈されたレコードを展示している。今晩はここに泊まる。

サラブレッド新冠 レ・コード館 道の駅

11月22日

さすがに北海道の11月。トレーラーの中で首から下は布団にくるまって温かいが、顔は触らなくても冷たさを感じるほどに冷え切っていた。一晩中国道を通過する車の音には平気だったが、夜明けの寒さで目を覚ました。昨夜降った雪が路面を凍らしている。

朝食前に釣り場に近い広尾除雪ステーションに移動を開始した。道の両側は雪景色で路面にも所々に雪が残っていた。
雪の日高 雪の日高

ステーションでトレーラーを切り離し、その中で朝食となった。淳子さん手作りの朝食を頂き、元気をつける。食後の熱いコーヒーを楽しんでから、身支度を整えてる。アンダータイツに靴下を二重に履き、冬の海釣り用の防水防寒ジャンパーを着込み、防寒対策をしっかりとした。留守番の淳子さんを残して、国道235号を広尾町のR川に向かう。

ステーション 観光地図

この川は2年前に一度訪れている。国道235号を浦河町で左折して国道236号、通称「天馬街道」に入る。R川は広尾町の中央を流れ、上流でSR川と流れを分け、標高1457mの十勝岳の直下に達する。

R川 R川の瀬

川の近くに車を止める。吹き付ける風は強く、身を切るように冷たい。持参したSAGEのFLIの4番ロッドにシマノのフリーストーン5番のリールを取り付ける。3Xのリーダーに3Xのティペット、リーダーの途中に大きめのインジケーター(浮き)をセット。ニンフフィッシングだが、いわゆるルースニングの仕様に近い。フライはエッグフライだ。根掛かりしないように板オモリをラインに巻きつける。準備完了。

昨年ここで鮭を見たが、地形が変わっていた 連休で釣り人がいる

エッグフライを流れのやや上流にキャストして、ラインにドラグがかからないように流していく。ここぞというところを流して見るが、なかなかアタリが来ない。そこでオモリを足して、さらに川底近くを流す。流れに乗って流れていた目印がククッと止まる。食った! さっと合わせると確かな手ごたえが返ってくる。2年振りのアメマスの引きだ。バラさないようにラインをたぐり、リールを巻く。フライはアメマスの口にしっかりかかっていた。綺麗な魚体の45センチのアメマスだった。

ポイントを攻める 来た!

丁寧に寄せる 美しい魚体のアメマス

ここで2本釣ったが、後が続かなかった。少し歩いて上流のポイントを攻めてみたが、相変わらずアタリはこない。下流に移動して、先程別の釣り人がやっていた場所で釣って見る。

瀬の波に乗って流れていた目印がツツッと止まったので、竿をさっと立てて合わせる。しかし、まるで根掛かりしたように動かない。やがて魚信が伝わってきたのでかかっていることは間違いない。大物かもしれない。

慎重にラインを巻き続けると、やがてアメマスが見えてきた。48センチの美しいアメマスだった。ここで午前中の釣を終えて、トレーラーまで昼食を摂るために戻ることにした。ホットサンドと容れたてのコーヒーが待っていた。

瀬を流す 48センチのアメマス

午後からR川の下流で釣ることになった。ここは河口に近く、魚は遡上したばかりだ。白鮭が依然として遡上を続けていて、川の中に何尾もの姿が見える。釣を開始してまもなく、目印が止まったので合わせると強烈な引きが返ってきた。これは鮭の引きだ。エッグフライで鮭がヒットしてしまった。4番の竿では勝負にならない。

強烈な引き ドラグを使って弱るのを待つ

ラインを切るわけにもいかないので、リールのドラグを調整しながら慎重にやり取りを続ける。やがて体長60センチくらいの白鮭があがってきた。ブナ色は出ていたが、遡上したてなので魚体はきれいだった。フライを外してリリースする。
精悍な白鮭 やっと釣り上げました

リリースしました


漁協が仕掛けた梁の所まで釣り下る。その辺りはプールのようになっていて、ここで数尾のアメマスをあげる。波をかぶった木の枝にはつららが下がっていた。4時を過ぎて風もだんだん冷たさを増してきたので、ここで納竿となった。トレーラーを止めてある広尾除雪ステーションに戻り、車にトレーラーをつなぎ、今宵の宿泊地、幕別町の道の駅「忠類」に向かう。

風は冷たくても楽しい 漁協の梁が見える

忠類川の忠類とは異なり、こちらは幕別町の忠類。道の駅「忠類」の隣接にナウマン温泉ホテルがあり、この温泉が一般に開放されている。冷えた体を温めるには温泉が一番。料金を支払い、アルカリのきいた温泉に体を沈める。

道の駅「忠類」の物産店 併設の温泉ホテル

お風呂の後はホテルのレストランで夕食をとる。幕別町はユリネが特産ということなので、ユリネのかき揚げ丼を注文する。ユリネの天ぷらは初めてだったが、ほくほくした食感でとてもおいしかった。食後のデザートにアイスのてんこ盛りまで食べてしまった。ヨモギ、ユリネ、コーヒー等々8種類のアイスクリームを楽しむことができた。土地の食べ物を頂くというのも旅の喜びの一つだ。暖まった体と満腹の胃袋でトレーラーに戻り、9時30分就寝した。

11月23日

朝食前に幕別町から白糠町に移動する。白糠町恋問の道の駅に車を止め、トレーラーの中で手作りの朝食と熱いコーヒーで元気をつける。あわてて川に向かっても、寒さで釣りにならない。熱いコーヒーを頂きながら、ゆっくり作戦を練ってから出発することにした。

恋問の道の駅から海を見る 太平洋の海岸線

恋問館 車とトレーラーを止める

たっぷり休憩を取ってから、C川に向かった。C川は、白糠町北部の白糠丘陵に源を発し、白糠町を流れ太平洋に注ぐ二級河川である。シシャモが産卵に遡上するとのことだが、河口の太平洋沿岸では、この時期1ヶ月限定のシシャモ漁が行われている。

岸辺が凍り付いたC川 C川

川の流れの緩い所は薄氷が張っており、川面を冷たい風が吹き抜けていた。フライをセットして流れに投じる。数尾釣ったが、食いは渋いので上流に移動する。

上流には釣り人のカップルがいた 枝についた水しぶきが凍り付いていた

橋の下まで車を入れて、河原の日だまりで昼食を摂ることになった。目の前がいいポイントのようだったので、準備ができるまで暫し竿を振るがアタリはなかった。昼食は炒飯に麻婆をかけた特製麻婆丼だった。温かいご飯が嬉しい。

C川にかかる橋 手作り麻婆丼

昼食後、少し下った所で釣りを再開した。昼食前に通りかかった際、大勢の釣り人がいるのが車窓から見えた所だが、その下流部に入る。川の屈曲部の右岸側がプールのようになっている所だが、沢山のアメマスが泳いでいるのが見える。いわゆるサイト・フィッシングだ。フライをアメマスの近くに流すのだが、なかなか食いつかない。スレで1尾かかっただけだった。難しい。

淳子さんが沢山いるよ、と教えてくれた所に移動する。左岸側が深みになっている流れの緩やかな所だった。キャストすると、たちまちアタリがきた。40センチくらいのアメマスを皮切りに、50センチくらいまでのアメマスが立て続きに釣れだした。エッグフライをビーズに変える。かねてよりビーズでのアメマス釣りをしたいと考えていたが、魚の濃いところでないと効果がわからない。今が絶好のチャンスだった。

フィッシュ オン! 約60センチ 正確には58センチの良型アメマス

ビーズを釣り針の5センチ上に取り付けて、ポイントを流す。果たしてアタリはすぐに来た。50センチくらいのアメマスがしっかり針掛かりしていた。その後も同じくらいのものがヒット。ビーズでもいけるようだ。しかし、アタリは煩雑に出るものの針掛かりはそれほど多くない。針の種類と針とビーズ間の長さに工夫が必要のようだ。

ビーズにもきた! 良型アメマス

日が暮れるとともに、川面に吹き付ける風の冷たさが増してきたので納竿することにした。夕食は、かねてから聞いていた蠣ソバが食べたいと中村さんにお願いした。前にも店の前まで行ったことがあるのだが、あいにく早仕舞いだったので食べられなかった。三年越しの懸案だった。

午後4時でこの暗さ 川は凍ったまま

このそば屋は、釧路市の町の中にある「玉川庵」で、厚岸から取り寄せた蠣を使った蠣ソバが評判だ。酢蠣や蠣フライのコースもあるようだ。私達は迷うことなく蠣ソバを注文する。温かい田舎ソバに茹でた大振りの蠣が乗っている。冷えた体に温かいソバはおいしく、特に重厚な蠣の味は格別だった。

玉川庵 蠣ソバ

今夜の温泉は、釧路市内の「山花温泉リフレ」だ。ここは2年前にも訪れたが、泉質は強食塩泉(海水と同じ塩分濃度)だ。大浴場、ジャクジー、薬草湯などがある。ここで今日一日の汗を流した後、休憩室になっている大広間のテレビでNHKの「篤姫」を見る。大広間には何組かの小家族と20名くらいの大家族がくつろいでいた。この家族が盛り上がっていたので、だんだんテレビに近づく。テレビを見終えてから道の駅に戻る。昨夜と違って海のそばなので、とても暖かい。今夜もぐっすり眠れそうだ。

11月24日

6時に起床した。トレーラーから出て海を見ると、海岸で投げ釣りをしている人がいた。今、コマイが釣れているらしい。岸にちかいところで何隻かの漁船が操業していた。シシャモ漁の船だ。シシャモはキュウリウオ科の魚で汽水域で生活し、産卵が近づくと川を遡上して産卵する。資源保護のため、漁期を1ヶ月に制限されている。我々が食べているものはほとんど外国からの輸入品で、国産のシシャモは1尾150円くらいにつくそうだ。

比較的暖かい朝 地元の人がコマイ釣りをしている

今朝は暖かい。朝食を頂いてからC川に向かう。天気が良く日差しも暖かいが、吹く風は冷たく、川の浅いところは凍っており、岸辺近くの樹木には大きなツララが下がっていた。釣りを開始すると、すぐに50センチくらいのアメマスがエッグフライに食いついてきた。何投目かに大きなアメマスがヒットした。フライを外そうと首を振りながら川面を割って出てきたが、針掛かりが浅かったのかポンと外れてしまった。逃がした魚は大きいというが、軽く60センチを超える大物だった。

C川 C川上流方向

好調なアタリ 良型アメマス

この後、数本釣ったのだが、次第に場荒れしてきたようでアタリが遠のいてきたので場所を変えることになった。上流に移動し、車を川近くに止めて歩く。この時期のアメマスは強い流れの瀬には少なく、流れの緩い溜まりのような所の底近くに潜んでいる。オモリの量を調整して、魚のいるところまでフライを送り込まないとアタリはでない。

好調なアタリが続く 良型アメマス

15時15分の釧路発羽田行きの飛行機で帰京することになっているので、釣れ続いてはいたものの12時半に納竿した。大物は釣れなかったものの、きれいな魚体のアメマスを多数釣り上げたり、色々なフライを試すこともできた。三日間はあっという間に過ぎてしまった。また来年、キャスティングの技術を向上させ、丈夫なフライを沢山巻いて再挑戦しなくては。

どうにもアタリが泊まらない これも良型アメマス

飛行機は予定通り、午後3時15分、気温1.5度の釧路空港を満員の乗客を乗せて飛び立った。See you next year !

手作りけんちんソバ 釧路空港 気温1.5度

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