北海道の釣り 2006


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50cmのアメマス忠類川 白鮭 忠類川

11月3日

11月3日、札幌行き日本航空1033便17時30分発は、15分遅れて羽田空港を飛び立った。機内は連休を北海道で過ごそうという旅行客で満席だった。
当初18時発を予約していたが、空港に早く着いてチェックインの際、一便早い飛行機に空きがあると言われ変更したものだった。
19時、飛行機はやや遅れて札幌空港に到着した。待ち合わせ時間は19時30分だったので、空港内の回転寿司店で夕食をとることにした。

到着ロビーに戻ると、ガイドの中村さんはすでに来ていて、一年ぶりの再会となった。挨拶を済ませ、奥さんの淳子さんが待つランドクルーザーに向かった。昨年に引き続き、今年もフィッシングガイドかわせみの中村夫妻のお世話になる。釣り道具を詰め込んだ大きなバッグをトレーラーに積み込んで、我々は一路襟裳を目指した。

国道235号線を東に走る。道は渋滞もなく快適だ。門別町、新冠町を通り、途中で休憩を取りながら、三石町の道の駅「みついし」に着く。今晩の宿泊地だ。

道の駅みついし トレーラー

フィッシングガイドかわせみは、釣り人の宿泊用にトレーラーを牽引している。中にはダブルベッドが1つ、バンクベッドが2つあり、3人まで宿泊できる。ダブルベッドは折りたたむと食卓になる。シンク付きのキッチンもあって、トレーラーの中で食事ができるようになっている。
宿泊場所によって釣りの範囲や時間が制限されることがよくある。そこで、かわせみではこのトレーラーを活用することで、釣りに最も適した環境を釣り人に提供している。釣り場の近くまで移動してそこに泊まり、翌日早朝から釣りができる。釣りが終われば、手作りの食事や暖かいコーヒーが飲める。釣り人にとって天国のような環境である。

トレーラーには備え付けのストーブもあるが、今年から可搬式のガスストーブが加わった。卓上コンロのガスボンベを燃料にしていて、とても火力が強い。一台で車内を暖めることができる。昨年、中村さんの友人が購入し便利そうにしていたことに触発され、購入となったようだ。

大して疲れているとは思わなかったが、用意してもらったベッドで布団にくるまると、すぐに眠りに落ちた。

トレーラーの中 新兵器 ストーブ

11月4日

今回の北海道は暖かい。4時頃トイレに行きたくて目覚めたが、再び布団に潜り込むと5時まで眠ってしまった。寝ぼけ眼のまま、まだ暗い国道235号を広尾町のR川に向かう。
国道235号を浦河町で左折して国道236号、通称「天馬街道」に入る。 R川は広尾町の中央を流れ、上流で札R川と流れを分け、標高1457mの十勝岳の直下に達する。

広尾除雪センターに着く 除雪センター 広尾

広尾の除雪センターでトレーラーを切り離し、身軽になって出発。川の左岸側にある駐車スペースに車を止めた。駐車スペースには、土曜日ということもあって、すでに3台の車が止まっていた。そこで、淳子さんお手製のおにぎりを朝食に頂いた。腹ごしらえを済ませ、いざ出陣だ。8時、釣り開始。

持参したSAGEの4番ロッドにリールを取り付け、3Xのリーダーに5lbのティペット、リーダーの途中に大きめのインジケーター(浮き)をセット。ニンフフィッシングではあるがいわゆるルースニングの仕様に近い。フライはエッグフライだ。3Bくらいのスプリットショットを付けて準備完了。

R川 河口が見える

エッグフライを流れのやや上流にキャストして、ラインにドラグがかからないように流していく。オモリと浮きを付けてのキャストは難しい。さっと引いてゆっくりキャストするタイミングが難しい。目印が流れに乗って流れていき、一瞬止まったときがアタリだ。ラインを左手でしっかり握り、さっとロッドを立てる。フライはアメマスの口にしっかりかかっている。ラインをたぐりながら魚を寄せてくる。(ロッドとラインは画像サイズの関係で縞模様になっていますが、実物に縞模様はありません。)

キャスト あたりだ!

良型のアメマス


丸々と太った40センチオーバーのアメマスだ。この時期、アメマスは鮭(白鮭)の遡上を追うようにして海から上ってくる。鮭の卵を狙っているのだ。R川には、毎年たくさんの鮭が遡上してくる。今年はその時期が少し遅れているようで、11月初旬というのに多くの鮭が上り続けている。
好調なアタリ 良型アメマス

アメマス釣りにとっては、この鮭が邪魔になる。鮭の卵を狙ってアメマスが集まるのだから矛盾した話だが、フライがこの鮭にかかろうものなら大変。竿も仕掛けもアメマス用ではとても持たないし、下手すれば竿が折られるか、良くてもティペットはボロボロ、フライがなくなるなどいいことは全くない。

しかも、この2種類の魚はほとんど同じ場所にいるので、インジケーターがピタッと止まったときに果たしてどちらかと躊躇してしまう。それで何度もアメマスのフッキングのタイミングを逃すことになる。場所を選びながら上流部に向かった。

傍らを鮭が遡上していく


淳子さん特製のサンドイッチで昼食になった。龍一さんの容れてくれた紅茶をご馳走になる。

午後の釣り場は、上流の河床が隆起してカスケード状になったところだった。川に段差ができていて、鮭がこの段差を乗り越えようとして段の下に溜まっていた。我々はこの上流に入る。鮭はぐっと少なくなったが、アメマスもいなくなった。アタリが遠くなったので、午前中の場所に戻ることにした。

段差のできた川 遡上中の白鮭

つがいか


何とか型の良いのを何本かあげて、この日の釣りを終了した。対岸では親娘の三人連れが釣りをしていた。ときどきアメマスを釣り上げ、クラーボックスにしまっていた。本日の夕食になるのかも知れない。私は食べたことはないが、アメマスはおいしいのだろうか。

下流でもヒット 強いひき アメマスだ

除雪センターでトレーラーを連結して、釧路に戻る。市内の「ふみぞの湯」で汗を流す。この温泉は今年の5月にオープンしたばかりで、釧路市文苑にあり、マックスバリュー文苑店などのショッピングセンターの一角にある。お風呂は、大浴場・露天風呂等となっていて、泉質はナトリウム−塩化物泉。 入浴料金390円を支払い、一日の汗を流した。地元の人などでとても繁盛していた。

夕食は、厚岸で採れた牡蠣を使った「牡蠣そば」がおいしいというそば屋に行くことになった。車で店の前まで来たが、土曜だというのに店の灯りは消えている。開いていなくてはしょうがない。中村さんいきつけの回転寿司店「四季彩亭」で夕食となった。東京の回転寿司では見られない、イカの耳やおひょうなどがあり、うれしくて8皿も食べてしまった。

食事を済ませると、明日の釣り場、忠類川に少しでも近づいた方が良いということで、国道272号を北上することになった。この道路は別名「釧標国道」と言われているが、地元では「宗男道路」とも呼ばれており、元某代議士の遺徳が偲ばれる。途中の広い駐車帯に車を止めて、そこに泊まることになった。ベッドに潜り込むと、たちまち眠り込んだ。

11月5日

5時に起床し、一路忠類川に向かう。国道335号を経由して、6時半に川の右岸側に漁協が設けた駐車場に到着する。すでに5台の車が止まっていた。そのうちの3台はレンタカーで、きっと東京あたりから鮭釣りに来たのだろう。管理事務所の前には、釣り支度に身を包んだ7,8人の釣り人が7時の釣り開始を待っていた。

漁協管理事務所 忠類川 忠類川

鮭釣りのピークの9月、10月には、この広い駐車場が車で一杯になるらしいが、今は一人一瀬という状態だ。我々はゆっくり朝食を摂ることにした。食後のコーヒーをゆっくり飲んで、さぁ釣り開始。今年の鮭はどうだろう。

忠類川は、標高1063mのサマッケヌプリ山に水源を発し根室海峡に流れ込む、流程約30キロほどの川だが、川幅も広く、初冬とは思えぬ水の厚さを保っている。8月からカラフトマスの遡上が始まり、ついで白鮭(地元で鮭といえば、この白鮭のこと。アメリカではチャム・サーモン、ドッグサーモンと呼ばれている。)の遡上が11月まで続く。

9番ロッドとリールに0Xのリーダー、ティペットに3号(4号?)を結ぶ。リーダーの上部にインジケーターを付け、ティペットに3Bのオモリを2つ付けた。フライは中村さん手製の「クリオネ・スペシャル」。大きなエッグフライにたらしをつけたもので、クリオネのように見えるが、淳子さんはてるてる坊主といっていた。果たして鮭に迎え入れられるか。

我々は、E地区の上流部に入る。そこは私達以外に釣り人はなく、貸切り状態になっていた。川の中を覗き込むと、何尾もの鮭がゆらゆらと上流に向かって泳いでいた。流れが厚くなっているところから釣りを始める。

忠類川でキャスト アタリは出ない 再びキャスト

鮭の数は多いが口を使うものはおらず、フライを色々変えてみるがアタリはこない。場所を少しずつ下流に移動してみるが、やはりアタリはない。外の釣り人を見ても、誰にもアタリはきていないようだった。

そのうち、目印が止まったので合わせると根掛かりしたように動かない。根掛かりではと思いラインをたぐると少しずつ動き出す。針がかりしたようだ。ラインを少しずつたぐるが、魚はなかなか見えてこない。ファイトに備えてドラグを強くする。

待望のアタリ 強烈なひき

それにしても重い。9番ロッドが満月のように曲がっている。魚は下流に、上流にと走り出す。この強烈なひきは、間違いなくスレがかりだ。果たして、徐々に魚の姿が見えてくると、フライは鮭の脇腹に刺さっていた。

浅瀬に寄せる ブナ色の白鮭

顔のアップ


鮭を浅瀬に誘導して、そのままズリ上げた。70センチ超のオスの鮭で、ブナ色といわれるきれいな体色が残っていた。針を外してリリースする。この後、もう一尾スレがかりがあったが、口にかかる魚はなかった。

じっとインジケターターを見る ヒットしたがスレ

できたてのヤキソバと温かいコーヒーの昼食をとった後、午後の釣りを開始する。この川で最も実績のあるフライやアラスカで使っているものなどに変えるが、やはりアタリはこない。遡上の終盤戦に入り、産卵を間近に控えた鮭は、もはやフライやルアーなどに関心はないのかもしれない。盛期であればこれでガンガン釣れていたというフライも、水底を空しく流れていく。

じっとインジケターターを見る 魚は見えるがアタリはこない

川を遡上中のサケ 魚影が見える 力尽きたサケ

3時に川からあがり、3時半釣り場を後にする。標津町、中標津町を経て釧路に戻る。車を釧路(旧音別町)のパシクル(馬主来)自然公園の駐車場に止めた。トレーラーを切り離し、近くの温泉で汗を流し夕食だ。

今夜の温泉は、釧路市内の「山花温泉リフレ」だ。泉質は強食塩泉(海水と同じ塩分濃度)なので、暖まった後はよく洗い落とさないと体中がしょっぱくなる。大浴場、ジャクジー、薬草湯などがあり、入浴料は600円だが、回数券もある。ここで今日一日の汗を流した後は、併設の「レストランはなしのぶ」で夕食となった。健康料理(薬膳料理)がウリのようだが、我々は牡蠣炒めセット、中華丼、ざるそばなどをそれぞれ食べた。そばは関東のそばとは違い、そば粉にクロレラを練り込んでいるので緑色をしている。まるで茶そばのようだ。

駐車場に戻り、用意してもらったベッドに潜り込む。今日で3日目だが、不思議と疲れは出ていない。楽しいことをしていても疲れるものだが、今年は快調だ。気温が高く、天気がいいせいかもしれない。

11月6日

今日は釣り場が近いので明るくなってから活動を開始する。音別川は、平成10年の合併で釧路市になった旧音別町の中央を流れる川で、昨年も訪れた川だ。最初に、昨年も攻めた右岸側の大木が川を覆っているポイントから釣り始めた。いわゆるたまりのようになった所で、深みにアメマスが潜んでいて、時折ひらを打っているのが見える。

音別川 さあ、釣るぞ

エッグフライをそっと放り込む。目印がツツーと動く。アタリだ。ラインをしっかり握り、ロッドをさっと立てる。フックした。魚は驚いたように走り回る。ラインをたぐり、リールで巻いてくる。強烈なひきに4番ロッドが限界近くまで曲がる。ようやく浅瀬に引き寄せ釣り上げると、53cmのアメマスだった。ここだけで10本釣り上げる。もちろんすべてリリース。この時、調子に乗って自分で作った白のエッグフライを使ったが、アタリはなかった。オレンジ、赤系統がいいようだ。

音別川の第1投 すごいひき

53cm


53cm


この後、少し上流の倒木が川を完全に覆っているところで釣る。淀みのように流れがゆるく、池のようになっている。中村さんがここにアメマスがいるという。フライを放り込むと、フライがゆらゆらと沈んでいくのがよく見える。すると大きなアメマスがすーっと寄ってきた。フライが見えなくなった瞬間、アワせる。アメマスは暴れ回る。いわゆるサイトフィッシングだ。ここで2本釣る。

車で下流に移動して、再び釣り始める。川を見ると、右岸側の深みにアメマスが列を作っている。ここでも、ほとんど入れ食い状態になる。さらに上流の瀬でも50センチオーバーが4本出た。その瀬脇の淀みにオモリを外してフライを放り込む。ゆらゆら沈んでいく途中でアメマスが食いつく。何本が釣った後、今までにない強烈なアタリがきた。淀みの中を走り回った後、淀みから出て瀬の中を泳ぎ回り、こちらになかなか寄ってこない。これは大きい。4番ロッドが限界まで曲がっている。

出た! 浅瀬に誘導

何とか浅瀬まで誘導して、岸にズリ上げた。今までで最大の60センチのアメマスだった。丸々太りどう猛な顔をしたアメマスで、私の記録になった。
大物だ! 60cm

拾い釣りしながら下ることになった。アメマスは流心にも潜んでいて、40センチから50センチ近い大物が釣れる。12時、午前の釣りを終える。

パシクルの駐車場にいったん戻る。昼食は、ご飯を炊いてカレーライスだ。熱々のカレーを食べると元気が出る。コーヒーもおいしかった。午後は同じ川の下流部に入ることになった。

音別川下流 音別川下流

午後2時。工場の廃屋を抜けて川に入る。時々小雨が混じるが暖かい。最初のポイントは渋く、淳子さんが小さめのものを1尾あげただけでアタリが遠いので下流へ移動する。

近くに3人の釣り人がいて、巨大な浮きを付けて釣りをしていた。フライフィッシングだと思うが、浮きがピンポン球のように大きいので遠投が難しいようだった。この付近もアタリは遠いので、元の所に戻り、さらに上流に向かう。

ヒット ヒットが続く

左岸側がいいポイントになっていて、アタリが出始める。流心の向こう側がポイントの所ではアウトリガーで攻める。50センチを含めて、10本以上釣り上げる。かなり暗くなってきたので、これが最後の一投とキャストしたやつに50センチがきた。これが本日45本目のアメマスだった。

かなり暗くなった 最後の1尾

午後4時30分、北海道釣行が終わった。

釧路市内でお土産にとタラバガニを2杯購入。夕食は例のそば屋ということで、その海産物店でそば屋の電話番号を調べたら、月曜は定休日になっていた。少し早いが空港に向かうことにした。午後6時空港着。
4日間、総走行距離1100キロの北海道釣行は、大満足で終了した。天気に恵まれ、釣果に恵まれた釣行だった。同じ川でもちょっと場所が変わると全く釣れなくなるなど、遠方から来る釣り人はガイドなしでは釣りにならない。私は中村夫妻のおかげで、昨年以上に楽しい釣りができた。感謝、感謝、感謝。

サケの夫婦か


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