2009年秋 コディアック


Kodiak Silver

今年は幸運にもアラスカを再び訪れる機会に恵まれた。シルバーウィークと巷ではいうようだが、敬老の日と今明の祝日、秋分の日に週末の休みを加えると5連休になる。今回は、これを利用してコディアックに出かけることにした。

コディアックにはこれで4回目になる。アンカレッジから小型飛行機で約1時間、アリューシャン列島の根本に位置する、人口13000人ほどの島である。多くの人は、漁業を中心にした産業で生計を立てている。ここから日本にもスケソウダラやサーモンなどの水産物が輸出されている。

成田からシアトルまで、ノースウエスト航空で約9時間。シアトルからアンカレッジまではアラスカ航空で3時間半。アンカレッジからは、エラ・アビエーション、ペン・エア、グラント・アビエーションなどの航空会社が、アラスカの各都市を結んでいる。コディアックへはエラ・アビエーションで1時間5分だ。

アンカレッジでの待ち時間が4時間近くあったので、16時間ぶりのタバコをゆっくり味わってから、ACS(Alaska Communication System)で携帯電話を購入することにした。国際携帯電話もだいぶ普及しており、アンカレッジやフェアバンクスなどの主要都市では何社かの携帯電話が利用できる。しかし、それ以外の都市や街でも使えるのは、私が調べた限りではACSしかない。プリペイド型の携帯電話であれば、アラスカに来たときだけ所定の料金を前払いして利用できるので、とても便利だ。保険の意味もあって、今回思い切って購入することにした。

シアトル空港 待合所 これでも灰皿です

エラ・アビエーションの待合所には、大勢の人が自分の便を待っていた。この会社を始め中小の航空会社は、鉄道も十分な道路網もないアラスカでは、住民の貴重な移動手段になっている。午後6時、コディアック行きの飛行機は定刻で出発した。飛行機は満員で、半分近くは釣り客と思われた。後部座席の方では、釣りの話でずっと盛り上がっていた。

お行儀の良い地元高校生達 エラ・アビエーションカウンター

アラスカは9月から雨期に入るので、夏のように快晴が続くことは少ない。雲の間からは、遠くキーナイ半島の氷河地帯が見えた。キーナイ半島を過ぎ、クックインレットを渡るとコディアックだ。

飛行機に乗り込む 眼下にキーナイ氷河が見える

コディアック空港は、現在改修工事中だった。普段はベルトコンベアーで荷物が出てくるのだが、今回はトラックで空港の玄関口まで荷物を運び、乗客はそこで荷物を受け取ることになった。

キーナイ半島 コディアック空港に到着

ロシアン・ヘリテイジ・インのチェックインを済まして、近くの中華料理店で大木さん と落ち合う。大木さんは、毎回お世話になっている釣りのガイドで、コディアック唯一の日本人釣りガイドだ。大木さんのおかげで、宿の送迎、釣り場の案内から魚の処理まで、すべてお任せの大名釣りをすることができる。一緒に夕食を取りながら、明日からの釣りの打合せをした。コディアックでのシルバーサーモンも終盤戦に入りつつあるようだ。

クィーンサイズのベッド 明日からの戦闘服

9月18日

5時に起床して朝食をとる。6時半には大木さんが迎えに来る。夜明けは7時頃なので、まだあたりは暗い。今日の釣り場は、街からも近いバスキンリバーだ。空港のすぐ近くを流れている川で、上流にはバスキンレイクがある。駐車場に車を止めて、川の様子を見に行く。かなり暗いながらも川の様子がぼんやりと見える。川は一昨日の大雨の影響で、かなり増水しているとのことだ。昨年のポイントは増水しているので、釣りのしやすい下流まで、懐中電灯をつけながら川沿いの踏み跡を歩いていく。

川へと続く道 段々細く急になる 暗いので画面がぼやけてます 夜明け直前のバスキンリバー

川は手元が見えないくらい暗いのだが、すでに数人の釣り人がいて、懐中電灯をつけながら釣りをしていた。彼らの下流側にはいり、釣り始める。スピニングロッドとスピニングリール、ハリスは25ポンドで1/0か2/0の針をエッグループで結んである。餌はキュアード・エッグ、すなわちイクラの塊だ。針から50センチくらいのところには、流れに負けないようにオモリをつける。チモト近くに、極小のスピンNグロー。後はイクラが底を這うように流すだけだ。

始めてすぐに白石さんにアタリが来た。1年ぶりのシルバーサーモンだ。慎重に取り込むと、12ポンドくらいの雄のシルバーだった。辺りが段々明るくなり、川の様子が見えてくる。川の中央の流心よりも、向こう側の流れが少し緩くなったところがポイントのようだ。やがて私にもアタリがくる。初ヒットなので慎重になる。大木さんにネットで取り込んでもらう。10ポンドくらいの雌のシルバーだった。針掛かりが悪いとはずれることもあるので、ネットに入るとほっとする。

フィッシュ オン! 立派なシルバーサーモン

コディアックのシルバーは、アラスカでも型が良いので人気がある。毎年、これを狙って、地元の人は勿論だが、各州から多くの釣り人がやってくる。餌、フライ、ルアーなど思い思いの釣り方で楽しんでいる。しかし、フリッピングに近い釣り方の人も多く、バシャ、バシャと近くで始まると興ざめしてしまう。魚が多いから、これでも時々かかるのでやめられないのだろう。

8時半頃、白石さんに2尾目がくる。大木さんによれば、平水時は流心にいるシルバーだが、増水時には流れのたるみにいるらしい。白石さんが定数を釣ったので、私も同じ場所を狙う。するとガサガサという音がして、対岸に3人の釣り人が突然現れた。熊か!と驚いたが、熊よりも事態は悪く、彼らは絶好のポイントに立ち込んで釣りを始めてしまった。

日本の釣り人のマナーは決して褒められたものではない。ゴミの投げ捨てや釣り糸の放置など悪評が絶えない。しかし、奥多摩のような人口過密地帯の渓流釣りなどを除けば、他の釣り人の釣りをしている場所に立ち込んだり、その釣り人の目の前に仕掛けを流すということは考えられない。一定の間隔、場所を空けて釣りをするのが最低のマナーになっている。ところがアメリカのパブリックの考え方は、誰でも何処でもを意味しているようだ。そこが釣れるのなら、私にも釣る権利がある、とばかりに人が集まり、仕掛けが投入される。釣り糸がからんだらお前の糸を切れ、というのが常識のようだ。

絶好のポイントに立ち込まれたので、別の場所を流すしかない。アメリカの釣り人は釣り方を変えるとか、粘るとかということをしない人が多い。釣れなければ別の場所に移動するだろうと暫く待っていると、案の定、20分ほどでいなくなった。さあ、これからだ。やがて、クックックッと竿先にアタリがやってきた。魚が餌をくわえる様子が手元に伝わってくる。あわてて合わせると針掛かりしないので、少し間をおいてからしっかりと合わせる。強い引きが返ってきた。慎重にリールを巻く。メスのシルバーが大木さんのネットに取り込まれた。

本日の定数 魚が重い すっかり明るくなったバスキンリバー

二人とも定数を釣ったので、別の川の様子を見に行くことにした。コディアックには、ロードシステムと呼ばれる島の南東部の道路沿いを中心にした釣り場と、水上飛行機などでアプローチする島の北西部の釣り場がある。北西部の釣り場は、ほとんどネイティブの土地なので、特別の料金を支払って釣りをする。飛行機代と入漁料を合わせるとかなりの金額になるので、ほとんどの釣り人はロードシステムでの釣りとなる。

ロードシステムでは、島の東南部にバスキンリバー、アメリカンリバー、オルズリバーなどの川がある。また、北西部の唯一車で行くことのできるパサギシャックリバーもある。いずれもサーモンは遡上するが、川によってシルバーの多い川、少ない川がある。バンキンリバーに次いで、パサギシャックリバーは有力な川だ。街からは70キロくらい離れており、車で1時間かかる。

海まで数百メートル 川の向こうに海が見える

満潮が近づく川 釣り人が一杯

パサギシャックリバーは満潮を迎えようとしていた。水位の上昇に合わせて、何尾ものサーモンが遡上していくのが見えた。しかし、サーモンフライをセットして流してみたがアタリはこなかった。昼食はオルズリバー近くのレストランで、バッファロー肉のハンバーガーを食べる。

昼食後、近くのオルズリバーで釣りを再開する。橋の下の深みで、白石さんがすぐにシルバーを釣り上げる。リリース。この川はピンクサーモンやチャムサーモンの多い川で、何回もサーモンフライで楽しい釣りをしてきたが、今日は色々とフライを変えてもほとんど反応がない。釣り初日ということもあり、3時過ぎに納竿となった。私の場合、初日に頑張りすぎると、後で体調を壊すことが多い。

オルズリバー Olds River Olds River

街まで戻り、港近くのクリーニングテーブルで魚の処理をする。ここは公共の場所で、釣り人が自由に利用できてとても便利だ。メスのシルバーには見事なイクラが一杯詰まっていた。私はクーラーに入れて持ち帰るので、魚を切れ身にしてもらい、ジップロックに入れた。宿の冷凍庫で凍らせる。

クーラーの中には4尾のシルバー 大木さんが手際よく魚を捌く

9月19日

6時に起床して朝食をとった後、バスキンリバーに向かう。日中には12度くらいまで上昇するが、朝の気温は4,5度くらいなので、川に着く頃が最も寒い時間になる。日本の冬の釣り支度が必要だ。川の様子を見てみると、昨日よりも水位が下がっていて、昨年のポイントでも釣りができそうだった。今日はガイドなしの釣りなので、簡単にできるルアーでシルバーを狙う。

川の右岸側が好ポイントなので、ルアーをダウンクロスで流していく。始めて間もなく、私のルアーにシルバーが食いつくのが見えた。合わせると強烈な引きが返ってくる。慎重にリールを巻くが、魚は岸に近づいたかと思うと川の流心まで走ったりしてなかなか取り込めない。白石さんがネットを持って待ちかまえている。そのうち、ポン!とルアーが外れてしまった。掛かりが浅かったようだ。

夜明けのバスキンリバー 川の向こう半分が深くなっていて、良いポイントになっている

その後、暫くキャストを続けるが、一度追ってくるのが見えただけでアタリはない。10時近くになり、バスキンリバーをあきらめることにした。いったん街まで戻り、釣り道具屋で消耗した釣り具を買い足してから、港近くのカフェでカプチーノを飲みながら暫しの休憩を取る。パサギシャックリバーの満潮が2時過ぎだと大木さんから聞いていたので、満潮の前後を狙いに行くことにした。

晴れたコディアック 遠くまでよく見える

海も凪だ こんなに良い天気は珍しい

途中でアメリカンリバーの様子を見ると、川にはかなりの数のピンクサーモンが川の上流を目指して泳いでいた。数人の釣り人が釣りをしていたが、釣果はなさそうに見えた。

アメリカンリバー 良く見ると魚が見える

上流を目指すピンクサーモン 川の中にはたくさんのピンクサーモン

スキーのダウンヒルのような道を1時間走り、パサギシャックリバーの河口近くに着く。時間が12時を過ぎていたので、持参したシナモンパンで昼食にする。ここから海までは歩いてすぐで、川岸に座りながら海と川の様子が一望できる。

パサギシャックリバー 流れがなくなり水位が上がってくる

釣り支度を整えて川岸まで行くと、すでにかなりの釣り人が釣りをしている。膝の上まで水に浸かりながら対岸に渡り、良さそうなポイントを探す。今回もルアーフィッシングだ。ルアーはメプスのスピナーの4番を使う。キャストを繰り返すがアタリはこない。周りではポツポツ釣れているが、いずれもピンクサーモンばかりだった。満潮が近づいて川の水位が徐々に増してきたので、渡れなくなる前に対岸から戻る。水位の上昇は日によって異なるが、大きいときは1メートルくらい水位が上がるそうだ。

かなり水位が上がった川 地元の釣り人

戻ったところでキャストを続けるが、相変わらずアタリはこない。今日の満潮は午後2時59分だが、満潮に近づくにつれて川の流れがゆっくりとなり、やがて逆流を始める。大量の海水が川に進入を始める。なめてみると、当たり前だがしょっぱい。流れが完全に入れ替わり、海からの水がものすごい勢いで流れ始める。今、この時だけを見れば、海が上流になったようだ。

この潮の流れに乗ってアザラシが一頭現れた。きっとサーモンを追ってきたのだろうが、時々水中から顔を出しては辺りの様子を窺っている。潮が止まり、流れが再び海に向かうようになるとアザラシもいなくなっていた。辛抱が肝心と5時まで粘ったが、結局、ドリーバーデンが2尾釣れただけだった。

ほぼ満水 プラグにかかったドリーバーデン

9月20日

5時半起床。6時半、大木さんの迎えで出発する。今日は未明から雨が降り始め、風もかなり強い。気温は元々低いから、風が加わると体感気温は一気に下がってくる。今日もバスキンリパーでシルバーを狙う。

一昨日のポイントに入る。暗く風雨の中にも関わらず、下流の方で懐中電灯が動いている。釣り人の魚への熱い気持ちは誰でも同じのようだ。早速、白石さんがエッグループでイクラをつけた仕掛けを流すとすぐにアタリがきた。余裕を持ってリールを巻いている。 メスのシルバーだった。

早朝の川 ネットで取り込む

それを見て私も釣りを開始した。水位が落ち着いてきたので、一昨日のように流心の脇ではなく、流心に魚がついている。そこを中心に狙うとすぐにアタリがくる。中型のメスのシルバーがほどなくネットに収まった。続いて白石さんにも2尾目がくる。私の2尾目はかなりの大型で、流れに逆らって逃げ出そうとするが針はがっちり掛かっている。慎重にリールを巻いて取り込む。釣り始めてから1時間足らずで、二人とも定数を釣り上げてしまった。昨日は一日粘って釣果がなかったのに、釣況は日々変わるものだ。雨も風もまだ続いている。

見事なシルバー 本日も定数釣り上げる

シルバーサーモンの一日のバッグリミット、定数は2尾だが、それとは別に体長50センチ以下の小型のサーモンは一日10尾まで釣ることができる。このサイズはジャックと呼ばれ、通常のサーモンより1年早く遡上したものだ。これを狙いにパサギシャックリバーに向かう。

クーラーの中 カササギ

ジャック狙いといっても特別な仕掛けはない。ルアーのサイズを4番から3番にワンランク下げるくらいで、釣り方も狙うポイントも同じだ。時間的には下げ潮から上げ潮に変わる時間帯を釣ることができる。バスキンリバーは森の中を川が走っているので、風をそれほど意識することなく釣りができたが、ここは障害物が何もないので、終始強い風が吹き付けてくる。

雨に煙る河口 風雨の中にも釣り人がいる

雨も風も止まない 風雨に負けない釣り人達

やがて餌釣りの白石さんに1尾、ルアーの私にも良型がくる。すでに定数を釣っているので、針を外してリリースする。しかし、その後が続かない。水の外は雨風が強く、暗い一日という、釣りにとっては最高のコンディションだが、私にドリーバーデンが2尾釣れただけでジャックのアタリはない。12時半、一昨日のレストランに昼食をとりに戻る。

フィッシュ オン! 完全武装だが寒い

午後の釣りは、オルズリバーもアメリカンリバーも風雨が強いので、バスキンレイク近くで釣りをすることになった。バスキンレイクはバスキンリバーの上流にあり、川から遡上したサーモンの一部はここで産卵するようだ。それを狙ってたくさんのドリーバーデンもやってくる。

湖の吐き出し口には簗が設置されていた。ここには何回も訪れたことがあるが、簗を見るのは初めてだった。遡上するソックアイサーモン(紅鮭)をカウントするためのもので、遡上数が少ないと禁漁にしたり、多いと一日の定数を増やしたりして資源管理をしている。近くの掲示板には最近の遡上数が掲示されていた。簗の前後100ヤードは禁漁だ

簗の一部は開いていて遡上可能にはなっていたが、開け口が少ないのか、簗の下流側でシルバーサーモンが盛んにジャンプしていた。少し下ったワンドのようになった所で釣りを再開する。ワンドのあちらこちらでシルバーが盛んにジャンプしているが、私のルアーにバイトはない。そのうち下手の方で、地元の高校生と思われる一団が川に現れた。全員ドライスーツのようなものを着ていて、次々に川に入っていく。スーツにはかなりの浮力があるようで、浮かびながら下流へと流れていく。風雨の中だが、若者たちは歓声を上げて楽しんでいるようだった。

元気な若者達 川下り

風雨は収まらず、気温も上がらない。午後4時納竿となり、港近くのクリーニングテーブルに直行となった。魚を捌いた後、午後6時半に一緒に夕食をとることにした。

夕食は大木さんの推薦で、日本人が経営する「オールドパワーハウス」でとる。この店では、寿司を始め、焼きそば、天ぷら、トンカツなど、現地の素材で作った日本食を楽しむことができる。私はカツ丼、白石さんは銀ダラ定食、大木さんはちらし寿司を注文した。どれもシェフの心遣いが細部まで行き渡っていて、とても美味しい。特に銀ダラは日本には入らないサイズのもので、脂ののった分厚いタラの切れ身を特製ソースで煮付けてある。 サイドオーダーでムール貝の照り焼きとハリバットの天ぷらを注文した。ハリパットの天ぷらは意外にあっさりしていて、さくさくした天ぷらの皮とマッチしていた。風雨もいつの間にか収まっていた。明日の天気は良さそうだ。

右がハリバットの天ぷら コディアック風カツ丼

9月21日

いつもの朝食 右の皿はきゅうり 釣りの三種の神器 ハンマー ルアー プライヤー

今日はコディアックでの最終日。夜にはアンカレッジに移動しなければならない。5時半に起床して7時に出発した。バスキンリバーのいつものポイントには二人の先客がいたので、その下流側で釣りを開始する。

夜が明けたバスキンリバー 先行者 私の足下まで仕掛けを流してくる

メプスのスピナーで、金色のブレードに赤のボディーの4番を使う。始めるとすぐに白石さんが流心の手前の流れから1尾釣る。続けて私も足下から1尾釣る。目の前1メートルくらいで、シルバーがルアーと食いついたのがはっきり見えた。私の2尾目は流心だった。ダウンクロスで流心まで流し、流心で止めるようにしてゆっくり曳くとググッとバイトがきた。ラインは20ポンドテストラインなので切れる心配はない。ゆっくり巻き上げ、ネットで取り込んでもらう。大型のメスのシルバーだった。

流心がポイント 1時間で定数を達成

暫く釣りを続けていると、アメリカ人の若者が上流からやってきた。彼はAFGD(アラスカ漁業狩猟局)の職員で、魚の調査をさせて欲しいとのことだった。彼は尾鰭の一部を切り取るとともに、魚の鱗をいくつか採取してテストパターンと見比べていた。これで魚の年齢が分かるという話だった。野生生物という資源をできるだけ科学的に管理しようという姿勢には、感心させられる。

計測と尾鰭の一部を採取 鱗で年齢を測定中

9時まで粘るが、白石さんに2尾目が来ない。しかし、この場所はこのくらいの時間までが勝負なので、ここで止めることにした。3尾のシルバーを持って車に戻る。3尾でも、いずれも10ポンドくらいの魚なので、ずっしりと重さが手に伝わってくる。港のクリーニングテーブルに直行して、魚を捌いた。今日の後半戦は、白石さんの希望でアメリカンリバーのピンクサーモンと遊ぶことになった。川への途中で宿の冷蔵庫に魚をしまう。

アメリカンリバーの水量は平水に戻っていた。釣り人も少なく、ゆったり釣りができそうだ。私はフライで、白石さんはルアーで釣りを開始する。色々なフライを試しながら釣り下る。

アメリカンリバー 橋の上流 解禁になっている

毛糸のエッグを3つ付けた特製エッグフライにメスのピンクサーモンが反応した。しっかり口にフライがかかっていたので嬉しくなった。

浅瀬の穴は魚が掘ったもの 特製フライで釣れたピンクサーモン

川のあちにこちらでは、数尾のピンクサーモンが雄、雌入り乱れて群れていた。別に産卵しているというようにも見えないのだが、浅瀬の至る所に集まっていた。

メイティングか?

川岸には沢山のカモメも集まっていたが、私が近づくと一斉に飛び立った。次々と遡上してくる鮭は、沢山のカモメにも十分な栄養を供給している。

飛び立つカモメ達

2時近くになり、バスキンレイクに移動することにした。簗の前後100ヤードでは釣りができないが、それ以外では釣りできる。湖にはカヌーで釣りを楽しむ人が見かけられた。フライを9番から6番に変えて、ドリーバーデンを狙う。エッグヤーン、エッグサッキングリーチなど色々フライを変えたり、リトリーブのスピードを変えたりと工夫してみたが、ついにドリーバーデンは来なかった。5時近くなったので、ここで納竿とした。今年のサーモン釣りはこれにて終了。

バスキンレイク 簗 ヤナ

日本への飛行機は明日だが、乗換時間の関係で、今日中にアンカレッジに行く必要がある。 宿に戻り、荷物をまとめる。冷凍庫の魚をクーラーに移す。クーラーは冷凍の鮭で満杯だった。これでは確実に重量オーバー間違いない。案の定、コディアック空港では追加料金75ドルを請求された。19時30分発の飛行機でアンカレッジへと向う。

私のクーラーが今積まれる 眼下のバスキンリバー

アンカレッジまでの飛行機は有視界飛行だから、天気が悪いと欠航になる。だから、最終日の天気がいつも心配になるが、今年は天気が良いので何の問題もなく気が楽だった。 過去3回のコディアックでの最終日は、天気の悪い日ばかりで、機内から外の景気を見るチャンスがなかった。今回は窓から、バスキンリバー、ダウンタウン、アフォグナック島などを見ることができたバスキンリバーで川に立ち込んで釣りをしている人が二人いるのも肉眼で確認できた。

バスキンリバーの河口 コディアックの街

人口のほとんどはこの地区に住んでいる コディアックの街

アフォグナック島 手前がキーナイ半島

満員の乗客を乗せた飛行機は、アンカレッジに予定通り到着した。夕食は宿の近くのレストランで行く。厚切りのニューヨークステーキで、この旅を打ち上げた。来年は果たしてどんな釣りになるだろうか。

アンカレッジに着いた 花壇には花が一杯だった

22日 アンカレッジからシアトルに向かう シアトルから成田に向かう機内

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