2003年初夏


1 ニニルチックの海釣り

平成15年5月30日、キーナイの町からキーナイ半島をクックインレット沿いに南下した町、ニニルチックに泊まり、カシロッフ川でのキングと同時にアラスカの海釣りにチャレンジした。

海釣りは、時期的にはキングサーモンが既に終盤戦に入っていて、主なターゲットはハリバット。巨大な針に鰊の半身を突き刺し、大きなおもりを付けて海に放り込む。竿は1.8メートルくらいのごついやつで、ときには100キロくらいのハリバットも釣り上げる。

A big hook

クックインレットの潮流はとても早く、潮が動いているときは釣りにならないので、釣りは潮止まりを狙ってやる。日本の海釣りとはまるで逆だ。ハリバットの引きは強烈だ。最後まで引くから力を抜くことが出来ない。渾身の力を込めてリールを巻き続け、水面まで引き上げる。15ポンドや20ポンドクラスは小さいからとリリースされる。3尾釣ったところでヘトヘトになってしまった。その傍らでアメリカ人達は、微笑みを浮かべながらぐいぐいリールを巻き、そして釣り続けていた。

Halibut

今まで多くのアメリカ人と握手してきたが、私の手より貧弱な手にお目にかかったことがない。どの手もごつい指と分厚い手のひらで圧倒される。あの手なら100ポンドのハリバットでも、むしろ喜びに満ちてリールを巻き続けることができるだろう。

 海で釣れたキングサーモンは、銀色に輝く美しい魚体で、これから何百キロも川を遡上する力を秘めていた。

2 キーナイ氷河を見る

キーナイの隣に「川の町」と呼ばれるソルドットナがある。そこにソルドットナ・スリップという小さい公営の飛行場があって、フライアウト(遠くの釣り場まで飛行機で行くこと。)や遊覧飛行のほかに、チャーターで離れた町まで行くことができる。また、アラスカでは個人で飛行機を持っている人が多いので、ここの格納庫を借りて用があるときは自家用飛行機で出かけていくようだ。

今回、キーナイ山脈の氷河見物を予約していたので、釣り終了後出かけていった。4人乗りの小さな飛行機なので、ほんの僅かな助走で飛び立った。

a small plane

キーナイ山脈は、アラスカ湾に突きだしたキーナイ半島の中央部に広がり、頂上部には一年中雪があって、キーナイ川やカシロッフ川などの水源としてたくさんのサーモンを育んでいる。カシロッフ川を遡るとタスツメナ湖に達するが、この湖の奥にはキーナイ山脈から流れ出るタスツメナ氷河が横たわっている。

Tustumena Galcier

飛行機はタスツメナ氷河沿いに高度を上げ、一気にキーナイの氷河地帯に進入した。6月の山々には分厚い雪が積もっていて、いつ溶けるともなく、また9月には新雪を迎えるのだろう。そして雪が雪をプレスして分厚い氷河をつくり、氷河は少しずつ浸みだして絶えることなく川に注ぎ込む。我々が釣りをしている川の水は、何十年かあるいは何百年か前にキーナイ山脈の山々に降り積もった雪なのだ。

Kenai glacier

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